指輪物語で無限ループ

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指輪物語/J.R.R.トールキン (著), 瀬田 貞二 (翻訳) 」(評論社文庫)
  昭和62年発行の旧版デザイン。ガンダルフの威圧感…

 

 

 

うかつに指輪物語を読みはじめるのは危険だ。

なぜならエンディングまで読むとまたはじめから読みたくなってしまい、

えんえんと止まらない〝無限ループ〟に陥ってしまうからだ。

 

 


そこでなぜ無限ループが引き起こされるのかを考えてみた。

それはおそらく、初めて読んだときにエンディングで味わった、

あの感覚が忘れられないからだ。

 


息をもつかせぬ冒険の余韻のなかで

あんなに積み上げていた本のページは残り少なくなっていく。

 

『そして死ぬまで幸せに暮らしましたとさ』


もう、そうやって終わってあげて!
勝手に「旅の仲間」になっている頭のなかでそう叫びながら読み進める。
それなのに、そうあっけらかんとは終わらない。
「終わったような、終わらないような」ウロボロスのような世界観。

 

そしてこの「終わらない」という終わらせ方こそが無限ループの原因だ。

 

 

 


たとえば日常生活でいろいろあって

「いまは物語なんて到底読む気にならない」という心境のときもある。

それでもこの物語は変わらずに美しい。

その「変わらない」普遍性。

 

普遍つながりでいえば “音楽界の普遍番長” The Beatlesも(とくにジョンが)

指輪物語の映画化を熱望していたが、版権の事情で実現しなかった。

が、映画「HELP!」はリンゴの指輪をめぐるThe Beatles版の指輪物語

だと思うとそれはそれで結果的には良かったのかもしれない。

 


The Beatles Help! Movie Trailer - YouTube

 

ジョンはあの物語のどのあたりに取り憑かれたのかな?

と想像しながら読むと、また違う視点での旅がはじまる。

普遍でありながら読むたびに新たな発見がある、

それが名作の名作たる所以なのだからループするのも仕方がない。

 








無限ループこわい。











指輪物語をこれから初めて読む人へワンポイント

★ 一巻目の序章は読み飛ばしてOK
第1章「待ちに待った誕生祝い」から読むのがおすすめ。
なぜなら初見で序章を読んでもさっぱりわけがわからないので、ここで挫折する人が多数。最後まで読み終わってから改めて序章を読みはじめると、そこから先は「無限ループ地獄」があなたを待っています。