地上の夜の村上春樹

イタリアの旅に出るときのこと。

 

「狭いエコノミーで12時間という長時間フライトに耐えうる本とはなにか?」

 

という検討の結果、手に取った作品が「海辺のカフカ(上・下)/村上春樹」だった。

 

それまでの勝手な著者のイメージは
ナルシズム・意味深だけどその意味がよくわからない
という散々なものだった。

 

しかし「海辺のカフカ」はそんな予想を遥かに裏切り
作り上げられた世界観の緻密さに入り込んでしまった。
謎と啓示が散りばめられながらも最後に集約していくさま。
海外でも高い評価を受ける理由がいったいどこにあるのか因数分解してみたくなる文体。

 


それから遡っていろいろな村上春樹本を読んだ。
世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の
パラレル世界である “世界の終わり” では【壁】がキーワード。
【壁】といえば氏の有名なスピーチをすぐに思い出す。
(卵と壁ーー村上春樹氏 エルサレム賞受賞式典スピーチ)


壁、壁、壁。良い意味での壁。悪の象徴としての壁。
英国ミュージシャンのOASISは【壁】を

「WONDERWALL」=自分の最後の砦 として歌った。
村上春樹(←JAZZマニア)はきっとOASISとか聴かないんだろうな・・・

 


Oasis - Wonderwall (Official Video) - YouTube

I said maybe
You're gonna be the one that saves me
And after all
You're my wonderwall