15才と銀閣寺

中学校の修学旅行で京都・奈良を訪れた。そのときに寺院で見た仏像に当時15歳の私はなぜだかわからないが心を動かされてしまった。 仏像に恋をしてしまったのである。 このとき他にも惚れてしまったものがある。それは銀閣寺だ。 ↑ 冷蔵庫にはマグネットの銀…

ボ・ガンボスはたのしい

高校受験を控えた時期に出逢い大好きでよく聞いていたボ・ガンボス。 ボ・ガンボス 魚ごっこ - YouT ↑「魚ごっこ」に当時なぜか共感 「魚ごっこ」というのはおまわりさんに職務質問をされた男が「おれはもうお魚なんだから名前もなんもない!」というような…

リアル薮の中

ペンローズの三角形 - YouTube 高校生のとき同じクラスの友人カップルに「恋の三角形事件」が勃発した。そしてあれよあれよというまに「恋の三角形の仲介役」というやたら大変そうなポジションになってしまったことがある。彼女(A)、彼氏(B)、割り込み…

指輪物語で無限ループ

「指輪物語/J.R.R.トールキン (著), 瀬田 貞二 (翻訳) 」(評論社文庫) 昭和62年発行の旧版デザイン。ガンダルフの威圧感… うかつに指輪物語を読みはじめるのは危険だ。 なぜならエンディングまで読むとまたはじめから読みたくなってしまい、 えんえんと止…

シュールなら負けないわ、ホドロフスキー

(前回の続き) ヤン・シュヴァンクマイエルのことを考えるとき数珠つなぎで思い出すのが、アレハンドロ・ホドロフスキーだ。 ホドロフスキーとはチリの映画監督 兼 漫画原作者 兼 タロット占い師…などなどさまざまな肩書きを持つ人物。私のホドロフスキー作…

チェコとシュルレアリスムの方程式

チェコってなんだか不思議な国だな、と昔から思っていた。たいへん漠然とした印象なのは自分のなかで「チェコ」に関する知識が乏しいためだ。 チェコのなにが不思議に感じたのかというと それは〝人形劇〟だ。人形劇って一枚ベールがかかっているというか〝…

地上の夜の村上春樹

イタリアの旅に出るときのこと。 「狭いエコノミーで12時間という長時間フライトに耐えうる本とはなにか?」 という検討の結果、手に取った作品が「海辺のカフカ(上・下)/村上春樹」だった。 それまでの勝手な著者のイメージはナルシズム・意味深だけどそ…

まさかの吉田松陰(の妹)〜大河ドラマ「花燃ゆ」で燃ゆ

10年ほど前のこと。 私のなかでかなり激しい幕末ブームが吹き荒れていた。定石通り司馬遼太郎の著書「竜馬がゆく」に感動し、古書やら小説やら史実書など乱読してはポーッと熱を上げていた。 ヒートアップしすぎた私は本の世界から飛び出して長崎、鹿児島、…

カオス理論とフラクタル理論とバカボンの教え

“宇宙とはミクロでありマクロである” 小学生のときから生粋の宇宙好き (しかし残念ながら生粋の数学音痴) そんなド素人が 宇宙論とは関係のない 養老孟司氏の著書を読みながら何度も考える。 --------------------------- ★カ…

器用で不器用な男と不器用で器用な昭和の男/高倉健さん

(文化勲章受賞についてお母様にはなんと伝えましたか?という質問に対して) “あんまり言いたくありません。すいません” 高倉健 昨年文化勲章を受賞した高倉健さんのインタビューより。 個人から個人に伝えた「大切な言葉」は たやすく他の人に公開するもの…

映画「アリス」/ヤン・シュヴァンクマイエル

チェコの芸術家であり映像作家のヤン・シュヴァンクマイエル。シュルレアリストとしての活動でも名を馳せている。 ところで “シュルレアリスム” ってなんでしょう ド素人が僭越ながら想像すると・・・ダリのビローンとした時計のイメージ?ルネ・マグリット…

「鹿男あをによし」/万城目学

“さあ、神無月だ―-- 出番だよ、先生” 奈良を舞台にした 鹿と主人公の「おれ」が繰り広げる歴史ファンタジー。数ページ読み進めると あれ?何かと同じ匂いのする文体と登場人物。 神経衰弱、マドンナ、婆さん、堀田、美術教師・・・ 夏目漱石「坊ちゃん」への…

蟹とたはむる「一握の砂」/石川啄木

“東海の 小島の磯の 白砂に われ泣きぬれて 蟹とたはむる” 石川啄木の代表作「一握の砂」の最初の一首。 この作品のぐっとくるポイントは “映像的なズーム感” と “蟹” だ。 “映像的ズーム感” は「東海の小島の・・・」と “の” つなぎで 広い場所から自分の手…

「スタンド・バイ・ミー」/スティーヴン・キング

“何にもまして重要だというものごとは、何にもまして口に出して言いにくいものだ。” 小説「スタンド・バイ・ミー」の 最初の一行。 一番伝えたいことは なかなか言葉にならないものだ。 自分の考えを100%他者に伝えるのは不可能だ。不可解だ。 しかし「スタ…